老人介護

自分を成長させてくれた利用者様とのやりとり

当時、介護業界に入りたてだった私はデイサービスの部署で働いていました。主な仕事内容は利用者様の送迎、排泄・入浴介助、レクリエーション、食事の介助、利用者様の様子を記録する事などです。

慣れない現場での介護

慣れない現場での介護は思っていたよりも遥かに難しく、利用者様から見ても頼りない介護職員だったと思います。デイサービスには一日に10人の利用者様が訪れていましたが、初めはコミュニケーションすらまともに取れず、ただただマニュアル通りの介護サービスを提供する事に必死でした

 

しかし、一ヶ月経った頃にはほとんどの利用者様に名前を覚えてもらえる程度にはなりました。ただ一人だけ私が排泄介助に入ると機嫌が悪くなってしまう女性の利用者様がいました。その女性は認知症もなくハキハキと話す方で「いつまでも女性らしくいたい」と言ってスカートをお召しになられている事が多かったのですが、排泄介助の際に私が手間取ってしまうと恥ずかしさと関節の痛みで物凄く怒鳴られます。

 

いつしか私はこの利用者様の排泄介助に入るのを恐怖に思うようになって自然と避けてしまっていました。デイサービスで働き始めて3ヶ月が経った頃に部署の移動が決まり、デイサービスでの最後の勤務の日に約2ヶ月ぶりにその女性の排泄介助に入りました。また怒られるのかな…と内心不安でいっぱいでしたが、介助が終わった後にその女性が言ったのは意外な言葉でした。

 

「排泄介助、上手になったね。ありがとうございます。」

 

私は初めて利用者様に認めてもらえた嬉しさと同時に、この利用者様を避けていた自分が情けなくとても申し訳ない事をしてしまったと思いました。

出会いが私を成長させてくれた

現在は福祉用具の部署でその利用者様の使う車いすのメンテナンス等に関わらせて頂いています。
前のように頻繁にお会いする事はありませんが、たまに会うと「管理者になったのね。がんばったんだね。」と優しい声をかけて下さいます。
この利用者様との出会いがあったからこそ、私が現在も介護業界で働けているのだと思います
ど素人だった私を成長させてくれた利用者様に感謝する事を忘れず、少しでもデイサービスを快適に過ごして頂けるように福祉用具相談員の仕事を全うしていきたいと思います。"