老人介護

大好きな認知症のおばあさん

現在老人ホームに勤務しています。9割の方が程度は様々ですが認知症を患っておられます。私は医者ではないので認知症について詳しいことは分からないのですが、とにかく利用者様の予想だにしない言動には驚かない様に、それから利用者様を否定しないように心がけて介護しています。

認知症のおばあさん

認知症には様々なタイプがあるので一様には言えませんが、私の見たところ一番認知がすすんでいるおばあさんがいます。私の大好きなかわいいおばあさんですので、その方とのふれあいから感じたことを書きたいと思います

 

そのおばあさんは元気ですが認知症のせいで歩くことは出来ないので、いつも車いすに乗っているかベッドに寝ています。ベッドをのぞきに行くベッドの上半分でSの字やくの字の体勢になっていたり、時々ベッドから落ちていたりして毎回驚かされています。もちろんベッドの下にはやわらかいマットが敷いてあります。
彼女の話していることも考えていることも大体分かりません。よく何かが見えるようで、先日も目を見開いて手を伸ばしていたので「何がいるんですか?」と聞いたら「マハァ〜」と言いました。また両手で何かをすくって飲むような素振りをしてので「何を飲んだんですか?」と聞いたらなんと「しょう油」と言いました。

 

先日ある女性職員が教えてくれたのですが、そのおばあさんは男性職員と一緒にいると乙女になってニコニコしているとのことでした。自分では気が付かなかったのですが、お風呂介助や移乗の時など抱きかかえた後、妙にニコニコしていることに後から気が付きました
そのおばあさんと言葉で意思を交わすことはありません。彼女からこうして欲しいという要望を受けることも無ければ、ありがとうなどの言葉を聞くこともありません。でも一人の女性としての感情を垣間見れて、こちらもうれしく思いました

 

先日歌の時間がありました。案の定そのおばあさんは歌の間中、宙を見つめて何かをつぶやいたり手を伸ばしたりしていました。しかし最後に「ウサギ追いしかの山・・・」の故郷を歌っている時のことです。そのおばあさんは声こそ出しませんが、一つも歌詞を間違わずに口を動かしていました。なぜかその姿を見て目頭が熱くなる思いがしました。例え認知症の方であっても、人生の大先輩として敬いつつ接していきたいと改めて感じさせられました